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質点系の力学

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初めに(20210619)

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※複数の質点からなる物理系の話

離散的な系

次に示される三質点系を考えます。

質点系,剛体,力学,運動,作用反作用の法則,物理法則,運動方程式,重心

この時各質点に働く力は、

外力

質点系の力学における外力の表現

内力

質点系の力学における外力の表現


 

さらに内外の場合、必ず作用・反作用の法則によって大きさが同じで向きが逆の一組の力があると考えます。

質点系の力学における外力の表現

物理法則

上記の三質点系については次のような運動方程式が成立します。
1〜3の質点の運動方程式は、それぞれ、

質点系の力学における外力の表現

質点系の力学における外力の表現

質点系の力学における外力の表現

 

 

この(1)(2)(3)をそれぞれみたすと、

 

 

外力の合成


 

 

外力の合成

 

 

となりますが、ここで先ほど示した作用反作用のによる一組の力内力の作用反作用の力を使うと、内力の作用反作用の力などとなるので結局、

外力内力の作用反作用の力の合成結果

といった具合になります。

 

さらにここにおいて重心を、

外力内力の作用反作用の力の合成結果

 

外力内力の作用反作用の力の合成結果



とした場合、次のように表現できます。

外力に関しての合成結果


 

r_Gのところに質量F1, F2, F3の質点があってそれにF1, F2, F3(すべての外力)が働いている―。

 

かなり大雑把な言い方になりますがr_Gは次のような区分けができるかと思います。

離散的な系

離散的な系における重心の式

連続的な系

連続的な系における重心の式

例題@ − 棒の重心

以下に示すような長さが2lの均一な質量mの棒の重心を求めてみましょう。

 

 

 

棒の重心の求め方

 

 

 

 

 

まず長さがdxの部分の質量dmを求めます。

 

ディメンジョン1と捉えれば、この棒の線密度は、

 

棒の体積密度

これにより、

棒の微小部分質量

 

連続的であるので、

 

棒の重心の積分による計算過程


 

棒の重心の積分による計算過程

棒の重心の積分による計算過程

棒の重心の積分による計算過程


 

 

 

 

よって長さ2lの棒の重心は以下のようになります。

棒の重心の積分による計算結果

例題A − 円錐の重心

Solid cone

上図のような均一な質量がMで高さがh、底面の半径がaの円錐の重心を求めてみましょう。

 

まずは円錐の体積は、

 

円錐の体積

 

これにより円錐の体積密度は、

 

円錐の体積密度

 

ここでは円錐の任意の高さに対する半径rで面積が円錐の任意部分の円の面積、厚さdzの微小厚さの円盤の質量を円錐の円盤とする部分の微小体積とすると、

 

円錐の円盤とする部分の微小体積

 

 

として、次のように円錐の質量を円錐の質量Mと置きます。

 

円錐の質量M

 

また、円錐の重心に関しては図から重心軸Z軸周りにあると考えられるので軸線重心軸Z軸上の任意の点zを距離変数として次のように採用します。

 

重心に関しての任意の距離変数

 

 

これらを代入すれば、

 

円錐の重心に関する方程式

 

 

また、図中のrに関しては以下のような相似関係を使って導いています。

 

円錐の相似関係式とその計算過程

 

円錐の相似関係式とその計算過程


 

円錐の相似関係式とその計算過程


 

 

 

これらにより、円錐の重心は分母の円錐質量の質量Mとわかっているので上記式の分子がわかれば重心の位置が求まることになります。

 

上記式の分子の部分を計算していきます。

円錐の重心の計算過程

 

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程


 

 

重心の式に代入していきます。

 

円錐の重心の計算過程

 

 

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程

円錐の重心の計算過程


 

これより、円錐の重心は以下のように求まります。

 

円錐の重心計算結果

例題B − 正方形の重心

 

正方形の重心の求め方

 

 

x, y軸におけるそれぞれの単位ベクターを単位ベクトルi,jとすると、

任意位置における単位ベクトルi,jを使った表記

 

となるので、

 

正方形の重心を求める計算過程

 

正方形の重心を求める計算過程


 

 

微小部分の面積は正方形の微小部分の面積

 

密度は、

 

正方形の微小部分密度

これらにより、

正方形の微小部分の質量

 

正方形の微小部分の質量

 

正方形重心を求めるための積分計算過程

 

正方形の重心を求めるための積分計算過程

正方形の重心を求めるための積分計算過程

正方形の重心を求めるための積分計算過程


 

 

 

 

よって正方形の板の重心は、

 

正方形の重心を求めるための積分計算過程

 

正方形の重心を求めるための積分計算過程

正方形の重心を求めるための積分計算過程


 

よって以下のように求まります。

 

正方形の重心計算結果

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